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と訊くと、遊び友達と河へ行つたといふ返事であつた。
彼は男の顔を蔽つている手拭をとりのけながら云つた。
と、大声で訊いた。
「あんまり、ぢつとしとつてもな、身体が生なまに、なるもんぢやから」
「え、御老人、どうしました?苦しいですか」
が、それは徳次であつた。
「あの訴訟はどうなつたのかね」
「いや、――わしはそんなこたあ嫌ひだ」
「こゝの消防演習をやつたのだ。そんなに騒ぐことはない」
「ふむ、ふむ」
と、盛子は大げさに滑稽な顔をしてみせた。
男はその時、案外なほど寂しみのある表情を浮かべ、頬杖をついてぼんやり戸口の方に顔を向けていたが、眼だけをちよつと動かせた。だが、知らぬふりでビールを口へ持つて行つた。
「あいつももう仕かたがないのですよ。『青ペン』通いばかりしているのですから。」